受賞者インタビュー

第16回 金の星賞(大賞)
受賞作品「 弱虫鬼ごっこ 」

佐藤 綾香さん
岩手県立水沢高校3年

【佐藤 綾香さんコメント】

岩手県立水沢高校の佐藤綾香です。

このたびはこのような素晴らしい賞を頂き大変光栄に思います。
二年生の時、顧問の先生から童話大賞を進められたのがこの賞に応募するきっかけとなりました。

去年は結果を出すことができなかったので、卒業まえになにかを残せれば、という思いから今年も挑戦しました。
諦めないでよかったと思います。
弱虫鬼ごっこは、優しさと勇気をテーマに自分を弱虫だと思っている主人公といじめっこが奇妙な出来事を通じて、仲良くなる物語です。

もし自分をいじめている人が困っていたら助けることができるか、未知ものに立ち向かう勇気を持っているか、そんなことを考えながら読んでいただけたらいいなと思います。

最後に、これまで支えてくれた家族や文芸部員、指導して下さった顧問の先生に感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。

〜賢治のまちから〜第16回全国高校生童話大賞(富士大学・花巻市・花巻市教育委員会主催)の表彰式が、2016年12月25日(日)になはんプラザ(花巻駅前)で行われました。

表彰式には金の星賞・銀の星賞受賞者の4名をお招きしました。会場には受賞者のご家族、選考委員や花巻市・本学の職員などが出席し、一般の方々も多数ご来場いただきました。

岡田秀二実行委員長(富士大学長)のあいさつと、選考委員を代表して牛崎敏哉先生から講評を頂いたあと、受賞者には、実行委員長と田中宏曉NHK盛岡放送局局長から、表彰楯とトロフィー、記念品が贈られました。  続いて上田東一花巻市長から受賞者へのお祝いの言葉がありました。それから、それぞれの受賞者の方から、作品について紹介していただきました。

アトラクションとして、開式直後に花巻農業学校鹿踊部生徒さんたちが郷土芸能 鹿踊(ししおどり)を演じてくださり、表彰後は地元花巻北高校放送部生徒さんたちが大賞作品の朗読を披露してくださり表彰式を飾ってくれました。

花巻市は、童話作家である宮沢賢治の生誕の地です。このまちから全国の高校生に“童話”という自由な表現の場を提供する「全国高校生童話大賞」を企画し16回目となる今回は、全国から1,076篇(高校数:194校)もの作品が寄せられ、金・銀の星賞のほか銅賞(佳作)7作品が入賞となりました。

作品講評

■小野寺悦子・・・・・
あやかしにくわしいおばあちゃんの力を借りて、登場人物がよく描きわけられ、おもしろく読める。転ばせては、とたんに入れ替わるという影ふみ鬼のすばやい動き、それに対応する少年たちの動き。遊びながらの攻防戦が友情に変わるという結末も楽しい。

■柏葉幸子・・・・・
不思議なものたちの登場にも違和感もなく、ファンタジーとして理屈にも納得がいった。おばあちゃんのキャラがたっていた。理人があまりいい人すぎた感はあるものの、無理のない読みやすい展開だった。個人的に最後、好みの終わり方だった。もっと個性を表に出したお話しも読んでみたいと思う。

■牛崎敏哉・・・・・
突然のニセモノ真鍋光の出現シーンから一気に引き込まれる。そこから始まる小学四年生のオカルトマニア・大内理人と、保育園の頃からずっと仲の悪い光の二人が、協力して「影踏み鬼」と対決していく展開も見事。おばあちゃんと鬼吉のキャラも表現豊かに書き込まれている。2年連続水沢高校最高賞おめでとう。

■石野 晶・・・・・
弱虫の主人公が意地悪をしてくる光のために奮闘するというストーリーがよかったです。影踏み鬼との攻防はどうなるのだろうと、わくわくハラハラしながら読み進めました。おばあちゃんと鬼吉の掛け合いも楽しく、素直で読みやすい文章に好感が持てました。

■畠中祥夫・・・・・
上から目線の同級生「光」が転んだ拍子に鬼が出てきて駆け出し、光が二人になってしまう発想が良い。「影踏み鬼が実体化」など、固いがそれ以上ない表現の面白さがある。光の大人びた物言い、鬼退治した後、「弱虫」から「理人」と名前を呼ばれるようになったり、友達になりたい理人の優しさなど伏線も生きて一つのお話として成功している。理人の個性がいまいち。いつの間にか影踏み鬼と三人で笑うようになる場面は唐突だが楽しい。

金の星賞(大賞)受賞作品
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